イシダイ〔石鯛〕

●スズキ目イシダイ科
●全長 60cm
●分布 北海道以南
●釣り場

防波堤
●地方名 ワサナベ
磯釣りファン憧れの磯の王者
幻の魚といわれ、磯釣りファンなら誰もがあこがれる磯の王者。
波しぶき飛び散る荒磯での、ワイルドな釣りの醍醐味は一度味わうと忘れ難く、その強烈な引きを知ると病みつきになる魅力をもつ。
シマダイ、サンバソウと呼ばれる幼魚期には体側に鮮明な黒色の横帯が7本あるが、成魚では不鮮明になり、全体的に黒ずむ。
特に全長50cmを超える老成魚は、口のまわりが黒くなり、雄だけが横帯が消失するため、クチグロ、ギンワサの別名がある。北海道以南の日本各地に分布するが、特に南日本に多い。
春から初夏にかけて産卵し、孵化した稚魚は、イシガキダイ、メジナ、アジ、カワハギなどの稚魚に混じって流れ藻につき、小型甲殻類を食べて成長する。
横帯が鮮明になる全長10cmほどになると、磯や根に移動して生活。
成魚は、磯や沖合いの岩礁帯と周辺に生息し、頑丈なくちばし状の歯でアワビやサザエのような巻き貝、伊勢エビなどの甲殻類、ウニ、フジツボなどの底生動物を噛み砕いて食べる。
17〜20℃の水温を好み、春から秋に磯に寄る。しかし、冬になり水温が下がると沖の深場へ移動。水温が13℃を下回るとエサを取らなくなる。
全長60cmほどだが、中には80cmほどになる大物もいて、釣り人の憧れだ。
強烈な引きに耐え得るロッド、リールが必要なうえに、エサもサザエや伊勢エビなどを使い、釣り場に渡る費用も安くはない。それでも狙う釣り人がいるほど、磯の王者の名にふさわしい魅力があるということだ。
食材としても魅力的な魚で、大型サイズはイシガキダイやマダイと同様に味が落ちるため、40cm前後がいい。
淡白な身でマダイに匹敵する締まりがあるが、やや磯臭さがあるため、生食よりはあらいなどが向く。
他にも塩焼き、煮魚、あら煮、寿司種などで食べるが、特に秋の魚が一番美味い。
料亭並の豪華なエサで狙う
豪快な磯釣りの人気ターゲットで、幻の魚とも呼ばれるイシダイ。
専用の剛竿に両軸受けリールをセットし、仕掛けは捨てオモリ式。
サザエ、アワビ、伊勢エビ、ウニなど、料亭料理かと思うほど豪華なエサが用いられる。
仕立て船で狙う沖釣りもあるが、ほとんどは磯釣りで狙う。
それがい次第野郎たちの流儀だ。