ウマヅラハギ〔馬面剥〕
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名は体を表す──ウマヅラハギ 顔が長く、馬の顔を思い起こすことからつけられた名前は誰もが納得。
カワハギ同様、その口の形状から餌取り名人として知られる。
本種はカワハギよりもやや沖合いの砂泥地に点在する岩礁周りにすむが、カワハギに比べるとその活動水域は広い。
5〜9月頃の産卵期にはかなり浅場にまで移動し、防波堤や磯でもよく釣れることがある。
第1背ビレ棘は長く太い。
腹ビレは不動性で、短い1本の棘があるだけである。
これに対しカワハギは可動性の腹ビレ棘をもつ。
沿岸の定置網で大漁に漁獲され、「みりん干し」にされることが多い。
日本各地に貝類の養殖棚が増えた頃と時期を同じくして、各地の沿岸で本種を多く見かけるようになったと話す水産研究者もいるが、実際、1970年代には大発生した記録がある。
食味はカワハギに次いで美味とされ、フグやカワハギの代用としてちり鍋によく使われる。
時には50cmを超える大物が釣れることもあるが、刺身にしてもうまい。